第二章  壮麗な建造物

ラムセス2世は王位を継承するいぜんから神殿の造営を行った。たとえば紀元前1285年ごろには、父セティ1世のあとを引き継いでカルナク・アメン大神殿の大列柱室を完成させている。エジプトに存在する歴史的な建造物の多くにラムセス2世のの名が刻まれている。それはラムセス2世が彼以前のファラオの建物や彫刻などにも自分の名を刻ませたためである。しかし、ラムセス2世自身が建造したり、増築したりした遺跡だけでもエジプトの全土にわたって残されている。ラムセス2世の建設事業の中で特筆すべきものは、王都ペル・ラムセスとアブ・シンベル神殿である。前者はエジプト北端のデルタ地方に、後者はエジプトの最南端につくられた。「建築王ラムセス2世は、すさまじい勢いで建築事業を行っていたのです」(吉村博士談)。